師匠の質問は、私の予想をはるかに超えていた。「家族を置いて、どこにいくつもりなのかな?」少し、間があき、私は返事をすることにした。「あの~。逃げたのじゃなくて、事件に巻き込まれたのじゃないんですか?」「師匠の占ったカードで、とらわれていると出てましたよね。「死・デス」「とらわれている暗示がある」あの3枚目の死のカードですよ。」師匠は「あ~。あれじゃ、あれじゃ。」次に師匠は「実は、他の意味もあるのじゃよ。八方ふさがりで次の手を打たないことには前に進めない状況という事だ。それで、偽装の誘拐拉致かもしれないのじゃ。」 と平然と答えた。みんなは唖然とした顔になり、「え~。自作自演ですか。まさか!。」話が違う方向に向かっていったので、少し休憩をとりコーヒーをいただくことにした。この時のコーヒーが今までで一番おいしいと思える位、心に沁みわたり有り難く感じられたのはなぜなのだろうか?師匠の考えでは、鈴木さんが、追い詰められて、自分で、失そう事件を起こしているというのだった。どこかに隠れていて、時期が来たら戻ってくると予測して、自信があると宣言もしていた。みんなで色々な意見を出したが、決局、確信に迫る答えがでないので、仕方がなく、鈴木さんの奥さんや家族に連絡をして、まずは警察への捜索願いを出してもらう事を頼んだ。そして一応みんなは、師匠の考えに賛成したという状態になってしまった。それは、誰も他にいい考えが浮かばないからなのだ。それで、今日の所はこのまま、様子を見ることにして、又も解散になった。それから、2~3日が過ぎて、アキにも少しばかり普通の生活が戻りかけたころ、病床の鈴木の妻から竜馬に連絡が入ったのだった。竜馬はその内容に驚いて、すぐにもアキへメールを入れた。そのメールを受け取ったアキは、恐怖心を覚えて、その内容を読んだ瞬間に、心が強く震えた。次回に続く